海外に仕事や旅行で訪れ、現地の方と接した時。
または日本に住んでいる海外国籍の方と仕事をしたり話している時、いつも思う事があります。
「日本人はとてもとても好意を持たれているという事」
私は仕事で中国人と関わることが以前から多く、前職では台湾人とも一緒に仕事をしました。
反対に海外渡航の経験は少なく、旅行は2回、仕事では5回です。
初めての海外は2004年社員旅行でサイパンへ。
次の機会が訪れるのは、しばらく経った9年後の2013年から2017年の間に6回渡航します。
【上海】
毎年5月に行われる中国美容博覧会に出展者側の応援として2013、2014年に2年連続参加。
日本企業ブースで自社PB化粧品を展示、紹介をしておりました。
会場に来られていたバイヤーや商社の方など、日本製品に関心が高く、和やかな雰囲気の中で化粧品を紹介した事を覚えています。
TVニュースなどで反日を聞く機会も多かったため、日本人が行くことによりどのような反応があるか気になるところでしたが、出会ったお客様全て友好的でした。
皆、ニコニコと笑顔私たちに声を掛けてこられ、展示していた化粧品に関心を持ちながら商品の説明を聞いていました。
日本製品=安心。
この絶対的な信頼。
絶対に日本の信用を落としてはならないと強く思います。
その頃、上海メトロシティ(ショッピングモール)に直営店(ドラッグストア)があったため店舗に入ると、非常に賑やかで店舗スタッフも忙しそうに働いており、資生堂は勿論の事、カネボウのKATEなどがよく売れて活気ある店舗でした。
当時は日本円で1,000~2,000円程の手頃な価格の化粧品が人気です。
【青島】
2013年4月。
青島の新店(ドラッグストア)立ち上げ応援として1週間ほど滞在しました。
前年の2012年、大きな反日デモがあり、青島のイオンが被害にあったことが大きなニュースとなった数か月後の事です。
私の部署の隣は海外事業部でしたので、中国赴任中の方とのやり取りは毎日の事、中国出張にも毎月のように行かれている方もおりました。
一番悪化している時は、日本-中国の機内で日本語で話をしていると「あからさまに不快だという顔や対応もあったよ」と笑いながら仰っていた先輩もいました。
数ヶ月経ったとはいえ、大丈夫かなと内心思いながら青島に到着。
新店は青島市内のショッピングモールの一角にあり、まだ工事中のにおいがしています。
ここでの一週間の作業は日本での新店立ち上げと同じです。
内装工事の最後を迎え、時には大きな音が鳴り響く中、床に雑多に置かれているものの隙間に、化粧品やシャンプーなど日本から届いたダンボールがそこかしこで山積みになっています。
新店応援メンバーは、本社からは私と、海外事業部の男性の2名。
青島赴任の日本人副総経理1名。
日本で働いていた中国人夫婦の御主人が新しい店長として就任。
オープンスタッフとして雇用した6~7名の20歳前半の若い男女。
その他、取引先からは日本から応援に来た、あるいは中国国内支社から来てくれた各メーカーの営業数十人。
毎日、ダンボールから商品を取り出し棚に陳列、掃除、オープンスタッフの接客指導などの日々を送りました。
私は中国語を話せません。
中国人スタッフは、日本に滞在していたことのある店長夫婦と日本語を勉強した事がある女性一人以外は日本語が話せません。
誰かと話をするなら日本語が解る方に通訳してもらわなければならないため、朝の挨拶や業務に関わること以外、雑談を話す機会は少ししかありませんでした。
青島へ新店立ち上げ応援に行った1週間、心から感じた事。
“言葉が伝わらないことで気持ちが通じる”という事。
目が合うたびにお互いにニコッと笑う。
ミラー現象がありますから、私が笑えば相手の口角も必ず上がります。
言葉が通じなくても、目と目を見て互いが笑顔になると“あなたの事が好きです”“受け入れています”と心が繋がります。
2~3日経ったときあれ?と思いました。
たとえば私がハサミを探していた、ちりとりを探していた、誰かと連絡を取りたいと思っていた・・・など、ふと目線を動かすと、間を置かずに誰かがそっと私の手元に“私が必要としているもの”を渡すのです。
これは当たり前の事なのでしょうか?
中国語が解らない私は「はさみはどこにありますか?」と言葉で伝える事が出来ません。
私が何か探していれば、「探し物があるのかな」と思うでしょう。
しかし、相手をよく観察していなければ“何か”までは解りません。
掃き掃除をしていればちりとりが必要な事は解ります。
しかし、目線を動かして「さぁどこにあるかな」と思った瞬間、しゃがんで受けてくれる。
互いが瞬時に意思疎通するための一つにアイコンタクトがあります。
人は言葉を交わすことにより、相手が何を欲し、何を考えているかを知ることが出来ます。
しかし、仕事や日常生活において言葉は解るのに“会話にならない、伝わらない”事が多々ありませんか?
その原因の一つは、「相手に対しての甘え」もあるのではないかとも思いますが。
中国人のスタッフとは、朝の挨拶と謝謝以外の言葉をあまり交わす事無く、お昼休憩の時に日本語が解るスタッフを交えてほんの少し雑談していた程度でしたが、滞在3日を超えたあたりから私はある若い女性スタッフと手を繋いで歩いており、一緒に日本から応援に来た男性社員が私たちを見て“いつの間にそんなに仲良くなったの?”と不思議そうに見ていました。
TVで反日のニュースが流れていても、実際現地に行けば大いに歓迎されました。
報道と、現実は違う事も多いです。
言葉が解らなくても相手を思う気持ちがあれば心は通じます。
何故か?
その理由の大半を占めるのは、「日本人が愛されているから」ではないかと考えています。
【ロシア・モスクワ】
2013年11月
化粧品展示会InterCHARMに出展。
モスクワも上海同様、日本の化粧品の展示紹介のために向かいました。
日用品などモノとしてmade in RUSSIA製品と接する機会は少なく、今まで仕事先や知り合いなどロシア人と出会ったことはありません。
私にとって遠い遠い未知の国でした。
しかし、私が知らないだけで、首都モスクワは遠いですが、ウラジオストクは成田から2時間半。
ロシアは最も近い距離にある国の一つです。
日本人がロシア人を身近に感じる方はあまり多くないと思いますが、ロシア人にとって日本は私たちから見るよりは身近に感じているようです。
モスクワ展示会場の横にあった大きなスーパーでは日本でおなじみの大手メーカーのトイレタリー製品、日用品が置いてありました。
また、実際に陳列されているのを見たわけではありませんが、日本の家電品もあると思いますので日常的に日本製品を使われている方もいると思います。
渡航前、何の知識もない私は、ロシア人は怖いのかな?というイメージを持っていました。
まず、モスクワ行きの便では、(恐らくですが)バレーボールの試合が日本であり、日本-ロシア戦で日本に勝って帰国する男子バレーボール選手の皆さんと一緒でした。
機嫌が良すぎる選手たち。
モスクワに到着し、搭乗橋を降り空港までの数分間のバスの中で、2メートルを超えるハンサムなロシア人選手たちに囲まれ、小さな私は埋まったまま満面の笑顔をもらいながら英語で何やら話しかけられていました。
随分明るい人達です。
空港を出ると、日本語が解る女性(ロシア拠点の担当者)が笑顔で迎えに来てくれました。
そこからタクシーに乗り、展示会場の横のホテルまで1時間程かかったと思います。
迎えに来てくれたロシア人女性は、タクシードライバーの50代~60代の体格の良い男性と、延々と大きな声で楽しそうに話しています。
乗車中、殆ど最初から最後まで。
ロシア人は、おしゃべりが好きだとの事。
こちらも大変陽気で明るい人達です。
タクシーを降りた時、ドライバーのおじさまに「日本に行ったことが無い、日本人ともあまり接したことが無い。記念にコインを頂けないか?」と言われました。
「勿論!どうぞ」と小銭をお渡ししました。
私は海外に行っても、誰と目が合ってもクセでニコニコ笑顔になるため周りの人達から“危ない”とよく叱られるのですが、この時も初めてのロシア、初めて接する方に気持ちも高揚していたため、ずっと笑顔でいました。
タクシーの中では私とドライバーの方は会話しておらず、静かに後部座席に座って居ただけでしたが、コインをお渡しした時に「日本人は優しい、あなたは美しい、コインを頂けてとても嬉しい」と大きな体で満面の笑顔で喜んで頂け、私の方が感動してしまいました。
その後展示会では、日本企業のブースに立ち、私は30歳前後の綺麗なお顔立ちのロシア人青年通訳とペアになり、目の前を通り過ぎる多くの方々にどんどん声を掛け、化粧品の紹介をしていきました。
日本製品という事で興味を持ち、立ち止まり、商品の説明を真剣に聞き、「これは今購入出来ますか?」など積極的なお声もありました。
アジアの国のように「日本製品好き」と言うほど前のめりでは無い物の、「日本製品は品質が良く安心だ」というイメージはここでも持っておられます。
私がモスクワで出会った人数は10人未満ですが(展示会のお客様除く)、良く笑う、良くしゃべる、真面目、熱心、親切、優しい、レディーファーストなど、とても気持ちの良い人達でしたので“怖そう”なイメージは払拭されました。
※但し、上司がモスクワの地下鉄で大柄の男性に囲まれて財布を奪われているのでしっかりと注意が必要です。
展示会でも私達が“日本人”だと解ると、屈託ない笑顔で興味津々に皆そばに来てくれました。
【ベトナム・ハノイ】
2017年4月。
日本の化粧品、美顔器を販売しているハノイの小売店へ。
現地メディア、現地店舗スタッフに対し商品の使い方、紹介をするために訪れました。
3日ほどのベトナム滞在期間中仕事関係者では男性とほとんど出会っていません。
お会いした方々は9割女性、30歳前後。
女性が非常に強く美しく賢いのが印象的。
目がキラキラと輝いており、パワーがみなぎっています。
お金を稼ぎたい!という前向きな気持ちも感じます。
数人しか会いませんでしたが、反対に男性は、はにかんだ笑顔でシャイな方が多い。
日本製品は安心安全、出来れば使いたい。
しかし価格が高いので、一般的には手に取りやすいタイ製、次いで中国製、韓国製を主に使用しています。
最終日は、店舗スタッフのためにじっくりと勉強会を行いました。
誰もが非常に熱心で、質問の嵐でした。
普段あまり見ることの無い日本人。
とにかく一緒に居たい、喋りたい、日本の事を知りたいと、気付けば私の周りにいつも3~4人の若い女性が集まっていました。
帰国直前。
店舗オーナー(CEO)姉妹が空港に行く前に、「うちでシャワーと食事をして帰りなさい」と住まいに私を招き入れ、手料理を作り、お風呂に案内してくれました。
彼女たちから“日本から来た私をもてなしたい”という温かい気持ち、両手で抱えきれないほどの愛情を頂きました。
私は以前から現在も、仕事で日本人以外の方と接することは少なくありません。
そして、今まで仕事で出会ったたくさんの人たちの中で、嫌な思いをしたことは、ゼロではないにしてもほとんどありません。
それは、前述したとおり諸外国の方々は「日本人が好き」だからです。
海外に行くと、「Chinese?Korean?」と聞かれませんか?
その時、多くの方が経験したはずです。
「I’m Japanese」と伝えると、「あっ、日本人なんだ!」と語尾にちいさくハートマークを感じるのです。
“日本人”は、大変信用されています。
基本的に嘘を言わず、時間に正確、まじめでとても優しい国民だと思われています。
ご承知の通り、日本製品に対しては絶大な信頼をお持ちです。
基本的に一部の国や一部の教育を受けて育った人以外は、日本の事が好きな人が大多数です。
私が好かれているのではなく日本人が好かれています。
その日本のイメージを作ってきたのは、もうすぐ2680年になる世界で一番長い歴史を持つ日本国民、私たちの先輩方が今日まで繋げて下さった日本国です。
世界に対して真っ直ぐな姿勢を示し、勤勉で最高品質のモノ作りを続けてきた、全ての先輩方が後世の私たちに託してきたことが今に繋がっています。
私に出来ることは、絶対的に揺らぐことの無いJapan qualityを作り上げてきた先輩方に恥をかかせることなく、海外の方に出会うたびに笑顔で迎えられ、歓迎されることに感謝の気持ちを持ちながら、日本のために、これから出会う世界中の方のために“女性を美しく健康にする”ことに持てる力全てを使いたいと思います。
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