以下、動画テキストです。
【EPA・DHA EPAの役割)】
【EPA・DHA(DHAの役割)】
青魚に多いとされるこの成分、体や頭に良いと積極的に摂取している方もおられると思います。
最初は「EPA」について。
・EPA(エイコサペンタエン酸)とは(参考:ニッスイ・大正製薬)
EPAは、人間のからだでは合成されにくいとされる必須脂肪酸です。
血管・血液の健康維持に重要であり、「血液をサラサラにする」「中性脂肪値を下げる」「血管年齢を若く保つ」「心臓病・脳梗塞を防ぐ」「動脈硬化を防ぐ」などの効果があります。
またドライアイが気になる方にもおすすめです。
健康診断後は「中性脂肪」の値が気になる方もおられるのではないでしょうか?
基準値は30~149mg/dlで、一般的に女性よりも男性の方が数値が高くなる傾向があります。
中性脂肪は、エネルギー源として利用され、余った分は、皮下脂肪や内臓脂肪として蓄えられます。
血液中の中性脂肪値が基準値より高いと、動脈硬化促進や、「急性膵炎、脂肪肝」の原因になることがあります。
EPA(エイコサペンタエン酸)を摂取するには、“魚を食べる、サプリメントを飲む、医薬品を服用する”などの方法があります。
EPAが広く認知されるようになったのは、1970年代半ばからのダイアベルグらによる疫学調査が発端です。
この調査で、デンマークの人々と、グリーンランドに住む先住民族イヌイットの食事内容と心臓病による死亡率の違いについて着目されました。
調査の結果、グリーンランドのイヌイットは、デンマーク人と同程度の脂肪を摂取していましたが、デンマーク人が動物性の脂肪を摂取していたのに対し、グリーンランドのイヌイットは魚やアザラシから脂肪を摂取しており、心筋梗塞や狭心症による死亡率が非常に少ないことが分かりました。
魚やアザラシの脂肪にはEPAが多く含まれています。
グリーンランドの人々の血中に不飽和脂肪酸であるEPAが高濃度に含まれていることが分かり、EPAが心臓病の発症を予防する効果があるのではないかと期待されています。
中性脂肪が少し気になるという方は、青魚をしっかり食べたり、サプリメントで補うと良いと思います。
EPAには「エパデール」という医薬品があります。
<効能>
・健康診断等で指摘された、境界領域注)の中性脂肪値の改善
注)「境界領域」:健康診断などにおいて中性脂肪が正常値よりもやや高めの値(150mg/dL以上300mg/dL未満)を指す。
とあります。
この医薬品は「要指導医薬品」に分類されます。
私が最初にエパデールを店頭で見たのは発売した直ぐの2013年4月以降の事です。
その時は「第1類医薬品」でした。
取扱店の薬剤師と話をしていたのですが、薬剤師がいる店でも全店取り扱いが出来るわけはなく、販売認定薬剤師のいる店舗でしか販売できません。
要指導医薬品の取り扱いは、医療用に準じた医薬品です。
一般用になって間もなくリスクが不確定なものや劇薬などがあります。
自由に手に取ることが出来ない場所に置いてあり、薬剤師から対面での指導・文書での情報提供を受けたうえで購入出来ます。
ネット等の通信販売からの購入は出来ません。
注意点も多いので、服用の際は必ず薬剤師から説明をしっかりと受ける必要のある医薬品です。
続いてDHAについてご紹介致します。
(参考:マルハニチロ)
DHA(ドコサヘキサエン酸)もEPAと同様必須脂肪酸です。
脳、目の網膜、心臓(心筋)、精子、母乳などに含まれます。
DHAは脳に良いというイメージがありますよね。
DHAが注目されるきっかけとなったのは、1989年に行われた研究です。
イギリスの研究者が日本の子供の知能指数が高い理由について研究し、日本人が魚を食べる習慣と深く関係している事を解明しDHAへの関心が高まったとされます。
この発表を受けて世界的に注目度が高まり、各国で臨床試験が繰り返されました。
その結果、現在では血液をサラサラにしたり、中性脂肪やコレステロールを下げる効果も確認されています。
DHAは記憶力や学習能力を司る海馬に、脳の他の部位の2倍以上存在します。
脳の活動を活性化させる重要な成分で、海馬にあるDHAの量が頭の良さに繋がるとされています。
また、脳内に取り込まれたDHAは細胞膜を柔らかくします。
神経伝達物質を受け取る脳の神経細胞(ニューロン)の働きをアップさせ、脳の伝達性を高めます。
人間の脳細胞は3歳ぐらいまでに完成し、20歳を過ぎると減る一方と言われています。
しかし、DHAを摂取すれば残った脳細胞を活性化させ、減って行く脳細胞を補う事が出来ます。
DHAの脳に関する効果に年齢は関係なく、記憶力や学習能力の維持・向上が可能です。
DHAは脳に多く存在している成分なので、摂取すると優先的に脳に取り込まれます。
脳の入口には血液脳関門があり、脳に必要なものと不必要なものを分類します。
DHAは血液脳関門を通過します。
脂肪は太る、体に悪いというイメージが根強く残っていますが、脳は水分を抜いた約60%が脂肪ですので、DHAのような必須脂肪酸をしっかりと補う事が大切です。
その他、
・ダイエット
・赤ちゃんの脳や、網膜の発育発達に(妊娠中、出産後にDHAを摂取する)
・生理痛改善
・血圧、コレステロール値の改善
・アルツハイマー抑制
など様々な健康効果が期待できます。
主にEPAは大人の血液・血管の健康維持に重要
DHAは乳幼児の脳や神経の発達に必要です。
EPAは体内でDHAに変換することも出来ます。
一日の摂取目安量
一日あたりのEPA、DHA摂取量は1000mgほどです。
この量を魚で摂取すると、まぐろ(トロ)で3~5切れ、ぶりで7~8切れ、サンマの塩焼き中型の物半身程度です。
サバの水煮缶なども活用すると楽に補えます。
医薬品の話も少ししましたが、青魚を意識して食べるだけでも血液検査の数値に違いが出るEPA、DHA。
中性脂肪、血管、脳に大きな働きが期待できます。
気になる方は、食生活に魚を取り入れてみて下さいね。
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